そもそもイノベーションの生まれるかたちとは?

そもそも「イノベーション」ってなんなのよ、ってことなんだけど、「革新」って訳されているけど、革新とはどういうもの(こと・構造)なのか、が大事だろう。

イノベーションの「技術革新」という訳が技術・製品からの発想(シーズ(Seeds)寄り)のイメージを表していて「イノベーション」とはそういうものだ、という印象を与えている。しかし実際のところは科学技術が進歩しただけでイノベーションが起こるわけではないし、科学技術と関係のないイノベーションも多数ある。

一方、MOT(技術経営)の話を紹介すると、「つまりマーケティングのこと?」と言われることがある。経営なんだからマーケティングも必要なのは明らかなのだが、それだけ、というわけでもない。

で、とりあえず、ここでは仮に「イノベーションとは、マーケッティングと製品開発(シーズとニーズ)の効率の良いマッチング」ということにしておきたい。イノベーションは誰かに必要とされていて初めてかたちになるものだから、マーケティング(ニーズ)は不可欠であるが、同時にそのニーズを満たすものを具現化するための工夫や新しいアプローチにも目を配らないといけない、かつ、人より上手く出来る必要がある。

なので、マーケットのことも判らないといけないし、シーズのうまい作り方(技術動向や法律、社会の変化の活用)も知らないといけない。双方が判って、他人より上手くマッチングできて初めてイノベーションをあなたが生み出せる、というわけである。